篆刻の楽しみ~35年後の事始め
- 2020/09/14 22:12
- 想ひのままに
篆刻の楽しみ~35年後の事始め
現職時代の若い頃、クラブ活動というものがあった時代、何をやろうか迷った末に「篆刻」を子供たちと一緒にやることにしました。
書道が趣味なので、「落款印」をはんこやさんに作ってもらうなど、少しは「篆刻」というものに触れてはいましたが、知識は全く無しであり、手探りでクラブ活動として開始しました。
一見、難しそうですが、すでに教材やさんのカタログには生徒用の安価な用具や石材が載っていたので、すぐに始められました。
生徒にとっては初めての経験で、しかも、最初で最後の作品作りということで、なかなか思い通りのものができなかったと思います。
私自身は、数個の作品を作りながら下手くそながらコツをつかみ、他人の名前を彫ってあげるなんてことになったりもしました。
そんなことがあって、15年ほどの歳月が流れたある日、再び、「篆刻」をやってみようという気になったのです。それは、「書」の作品のほか「はがき絵」の作品に「落款印」を押したいという気持ちからでした。はがきの「落款印」は書に比べ小さいものでないとバランスが取れません。約1㎝四方の石に名前を彫りました。
が、その熱も冷め、さらに20年ほどが過ぎた頃、退職を前に何か自分の得意を生かすことはできないかと思い、三度目の正直で「篆刻」に挑戦し始めました。
私にとっては、「35年後の事始め」と言えましょう。
そして、現在の「音楽活動と篆刻のコラボ」を目指し、ワークショップを開催することに挑戦しました。これを契機に、私の「篆刻熱」も徐々に上がり、石材だけでなく、手軽に始められる「消しゴム印」に挑戦することとなったのです。
下が、私の「篆刻セット」です。石材もゴムにも対応できるように、印刀やデザインカッターが入っております。その他、印泥、スタンプ台、鏡なども入っております。左にあるのは、「雁皮紙」(がんぴし)という転写に使う紙です。トレーシングペーパーでもOKです。
これが、私の最近の作品です。ゴムの作品と石の作品の両方が入っております。
そして、目下の私の愉しみは、「篆刻」そのものと、その技術をワークショップで皆さんに伝えることにあります。私はずぶの素人ですから、「篆刻」の芸術としての指導はできませんが、皆さんの興味を引き上げ、「篆刻」のスタートラインに立ってもらうことはできるのではないかと思っております。
いったん始めると、手軽でありながら奥深い芸術へ誘うことに大いなる愉しみを感じています。
まさにライフワークのテーマを見つけた充実感を感じている今日この頃です。